「お金では換えられない価値がある」の間違い

「お金では換えられない価値がある」の間違い

こんにちは、いしおです。

今日は「価値」について

考えてみます。

 

趣旨としては、

「お金では換えられない価値がある」

ってのは思考の枠組み的には間違いだな、と。

 

「お金では換えられない価値がある」の間違い

「お金では換えられない価値がある」という

言葉を使う時は、だいたいこんなイメージを

していると思うのですよね。

この発想って、

「そもそもいろんなものごとの価値は、

だいたいの場合はお金で換算できるんだけど、

中には換算できないものもある」って

ことだと思うんです。

 

本当はこうなはず

本当はこうなんだと思います。

ものごとの「価値」の中で、

金額で表せる価値ってのは

ごく一部でしかない。

他にもっといろんな価値があるのだと。

 

例えば

たとえばこの前のゴールデンウィーク、

「半ドアジャンボリー」と称して

10日間くらいずっとキャンプをしてたのですが、

https://i-shio.com/2018/06/12/gwhangoutdoor1806/

その期間中に読んだ星野道夫さんの

旅をする木」が最高に良かったのです。

 

今日は胃もたれ解消day 焚き火読書カフェナイト 至福……! #半ドアジャンボリー #3日目

Toru Ishizakaさん(@stonejourney)がシェアした投稿 –

何が良かったのかと言いますと。

そもそもこの本のことを

知ったのは最近でした。

facebookで東京時代の

シェアハウス友達が

この本のフレーズを紹介してくれていて、

「なんと素敵なんだろう」と思ったのです。

 

遠く海鳴りを聞きつつ

焚き火をかたわらに、

ランプをともしながら、

 

その友達のことや、

はては自分が世界一周旅行に出ていた頃の

記憶がよみがえってきたりなんかもして、

そんなあたたかい感覚にたゆたっていたのでした。

 

こんな時間は、本当に価値があると思うのです。

でも、これを「はい、100万の価値です」というと

一気に陳腐になる。そうは思いませんか?

 

例えば2

僕の尊敬する人に、「夜と霧」で有名な

精神科医、心理学者の

ヴィクトール・フランクルという方がいます。

この方は、人間には最後の最期まで

発揮できる価値がある、と説明し、

こんなエピソードを紹介しています。

 

彼は自分のいのちがもう長くないことを、

それどころかあと数時間しかないことを予知した。

そういう限界状況の中で、彼はちょうど午後の回診で

彼のベッドのそばを通りかかったフランクルに、

こう言ったという。

「午前の病院長の回診の時に聞いて知ったのだが 、

G教授が、死ぬ直前の苦痛を和らげるため、

死ぬ数時間前に私にモルヒネを注射するように指示したんです。

だから、今夜で私は『おしまい』だと思う、

それで、いまのうちに、

この回診の際に注射を済ましておいてください、

そうすればあなたも宿直の看護婦に呼ばれて

わざわざ私のために安眠を妨げられずに済むでしょうから 」

「フランクル人生論 苦しみの中でこそ、あなたは輝く」より

死の間際でさえも他人を思いやる優しさ、

これも、とても尊いことだと思うのですが、

「●円の価値がある」などと

言うことはできません。

 

なぜ価値を金銭で置き換えてしまうのか

では、なぜ価値を金銭で

置き換えてしまうのでしょうか。

それは、「定量評価ができるわかりやすさ」と

「便利さ」にあるのだと思います。

 

定量評価ができるわかりやすさ

Xは10万円の価値、

Yは100万円の価値とすると、

YはXより10倍価値がある、と

誰もが簡単に評価することができます。

 

便利さ

貨幣では、物々交換などとちがい、

価値を保存できます。

つくった野菜を貨幣に換えておけば、

貨幣が腐ることはありません。

 

人間のメカニズムなのかもしれない

定量評価により比較し、

便利さを追い求めることは、

いわば人間に組み込まれた

本能的なメカニズムのようにも思えます。

 

僕らに課せられた宿題は、

これらの本能的なメカニズムから脱却し、

叡智をもってどう進化するか、

そんなことであるのかもしれません。

 

金銭で交換できない経済を

僕は、価値というものを考えた時に

お金で計算できる価値というのは

本当に一部でしか無いと認識すること、

および金銭で交換できない経済をもっと増やすことが

自治と成熟の社会を目指す上で

これからより大事なのだと思っております。

 

お金では表せないいろんな価値に

日常的に目を向けること。

そして、

貨幣や金銭が通用しない、

支払えない経済を構築することは、

僕らの世界をよりあるべき姿に

近づけてくれる、

そんな気がするのです。

 

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