ナリワイ・小商いの一歩!「じぶん通貨」を発行しよう

ナリワイ・小商いの一歩!「じぶん通貨」を発行しよう

自分で仕事をつくりはじめた人にとって、
かならず直面するのが「値決め」問題
提供するサービスにいくら値段を取っていいのか、
周りから「がめつい」「守銭奴」などと呼ばれないだろうか、
不安になりますよね。

特に、まだあまり習熟度の高くないサービスを
キャッチアップしながら提供しているような、
「ナリワイ立ち上げ期」の場合、
「こんなクオリティの仕事でお金をもらっていいのだろうか……?」
心配してしまうこともあるでしょう。
僕もそうでした(ビビりなので今もそうです笑)。

そこで僕がおすすめするのが、「じぶん通貨」を発行すること。
今回はこの「じぶん通貨」について解説します!!!

じぶん通貨とは

じぶん通貨は、自分で発行する通貨です。
ポイントは、日本円やドルではなく、
通貨単位が「自分が提供できるモノやサービス」となること。

僕の造語です。

要は「肩たたき券」

と、固く説明するとよくわかりませんが、
早い話、「肩たたき券」のようなものだと思ってください。

子供のころ、親やおじいちゃんおばあちゃんに
「肩たたき券」を渡していませんでしたでしょうか?
それには、「●分間肩をたたく」という約束が書かれます。

ところで、たとえばここに「100円」あったとして、これは
「1円」という通貨単位が100個分あることを意味します。

これと同様、「●分間肩をたたく券」というのは、
「1分間肩をたたいてもらえる」という通貨単位が
●個分あることを意味するのです。

幼少期におじいちゃんやおばあちゃんに渡していたような
肩たたき券の場合は、基本的に無料でのプレゼントですが、
これを取引に使おう、というのが僕の趣旨です。

通貨を自分で決める

子供のころは「肩をたたく」というシンプルなサービスでしたが、
大人になって複業づくりを行っていく人であれば、
いろんな通貨が考えられます。

「●時間で完結する簡単なウェブ製作をしてあげる」でもいいですし、
「家庭菜園でとれた野菜を●個あげる」でもいい。
「●時間分家庭教師をしてあげる」でもいいですし、
「かわいいイラスト●個」でもいいんです。

お互いの「じぶん通貨」を交換する

そして、何かほしいものがあるときや、
誰かから何かをしてほしいと頼まれたときに、
「じぶん通貨」の交換を持ちかける。

取引は、メモや付箋紙に書いてもいいし、
ちゃんと覚えていれば口約束でもいいと思います。
忘れたら忘れたで、なんとかなるくらいの
ゆるい感じでもあります。

タイムバンクと似た考えだけれども

専門家の時間を日本円で買うことができる
タイムバンク」というサービスがあります。

貨幣を介さないサービス同士、
もしくは独自通貨での交換もできるようです。

お金を介さない新たなシェアリングエコノミーの潮流「フード・スワップ」と「タイムバンク」 | サービス・商品開発 | 経営プロ

基本的にはこれと似た考えなのですが、
・もうちょっとアナログなやり方で
・もうちょっと顔の見える関係で取引して
・もうちょっと素人くさい
のが、「じぶん通貨」です。

なぜ「じぶん通貨」がナリワイづくりの一歩に向いているのか

じぶん通貨はナリワイづくり、小商いの立上げに向いてます。

習熟度の低いサービスでも提供できる

お金でのやりとりを考えたときに、
習熟度の低いサービスや、
これまで提供したことのないサービスを提供するときは、
不安になってしまいがち。

一番心配するのは、
「お金をもらえるくらいのサービスが提供できるだろうか」という点かと思います。
満足が得られなかったら「ぼったくりだ」などと言われてしまうかもしれない、
悪い評判が立つかもしれないと、怖くなってしまいます。

その点、「じぶん通貨」では、
もうちょっと気楽に価値の交換ができます

仮に習熟度が低くても、お互いそれを前提として、
「あなたからこのサービスを受けたい」
「あなたの●●が欲しい」といった思いで
価値交換が行われるからです。

交渉がしやすい

また、貨幣での交換が行われる場合、基本的には
「●●するから●円ちょうだい」という
コミュニケーションを行います。

ビジネスに慣れていない人にとって、
このようなお金が絡む話はなかなか素直に言いづらく、
交渉しづらいのではないでしょうか。

でも、安心してください。
「じぶん通貨」の場合、
半分ゲームのような感覚で交渉ができます。

「●●してほしいんだけど」という声をうけて、
「それをするにはもうちょっと●●して」と返しやすいんです。

ボードゲームの名作「カタン」では
物々交換の交渉がゲームの醍醐味なのですが、
それと同じような感覚で楽しみながら交渉ができます。

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取引に納得感が生まれやすい

お金でやりとりする場合、
お金を多く貰えば「こんなにもらっていいのだろうか」と
不安になりますし、
少なければ「あれだけ頑張ったのにこれだけしか稼げない」と
しょんぼりしてしまいます。
なんとも難しいものです(笑)。

一方、じぶん通貨の場合は、
価値の交換の際に
つどつど交渉を行うことになります。
決まった金額が定められていないもの同士を
交換することになるためです。

お互いに「やること・あげるもの」と「その量」を
都度交渉して決めますので、
金額の多い少ないで悩むことは少ない。
納得感が生まれやすいんです。
嫌なら交換しなければいいのですから。

法律に引っ張られない

たとえば、食事をお客さんに提供するなら食品衛生法、
宿を提供するなら旅館業法、といったように、
何かモノやサービスを提供してお金を稼ごうとすると
何かしらの法律が絡んでくることがあります。

法律の基準をクリアするには、法律を勉強し、
お金と時間をかけて課題を解決していく必要があります。
「食べていけるかわからないけどちょっとやってみたい」という温度感の
ナリワイづくり初期では、最初からこんな投資はできません。

であるならば、お金を介さず取引すればいい
物々交換やサービスの交換の場合は、
法律よりも良心に基づく交換となりますので、
ほとんど法律を意識しなくても取引ができます。

経験を積み、自信が持てたらお金に換えればいい

とはいえ、やっぱりお金は便利だし、欲しいですよね。

自分が習熟度を高めたい領域で「じぶん通貨」を発行し、
サービスを提供し続けてくると、経験値がたまり、
だんだんレベルが上がっていきます。

そうなった段階で、お金が欲しければ、
お金に換えればいい。
モノやサービスを提供し、
お金をもらえるようになれば、
それは立派な「事業」です。

実際にどうやって「じぶん通貨」を使っているのか

僕がどうやって「じぶん通貨」を使っているのかを紹介します。

写真を撮ってもらうかわりにアウトドア用品を貸す

私物シェアサービスいしおレンタル用の写真を、
カメラが好きな友人に撮影してもらいました。

こんな感じで。

これは「一定期間アウトドアギアを、
予約ないとき好きに使っていい権利」と交換しました。

テント撤収を手伝ってもらうかわりにボードゲームを貸す

同じように、大きなテントを片付けるときに
一人だけで作業すると大変なので、
ヘルプを頼みました。

対価はボードゲームレンタル。

時給800キロカロリーでなんでも屋を

「時給800キロカロリー」というのをやっていました
(今も気が向いたらやってます)。

英語のなんちゃって通訳やSNSの使い方レクチャー、
なんちゃってDJやBBQの手伝いなどをしました。

モノによってはできているのか
できていないのかわからないくらいな
習熟度のサービスを提供し、
対価にご飯をおごってもらったり、
食べ物をもらったりしてます。

居候させてもらう代わりにパソコンを

今ぼくは久米島である人の家の離れに、
厚意で居候させてもらってます。

その人は「家賃なんていらん」と
おっしゃってくださっていますので、
僕はありがたくその恩恵を受けるばかりなのですが、
そのかわりというわけではありませんが
パソコン関係で困りごとがあったら
無償で対応させてもらってます。

こういったニーズもあるので、
近々ナリワイとしてパソコンや
スマホの困りごとを解決するような
訪問サービスをやろうと思ってます。

でも、宿の御恩があるので、
その人から相談があったら
今後も基本的にはできる範囲で無料で
対応させてもらう感じになるかと思います。

おわりに~贈与の気持ちも忘れずに~

リスクとしては、すべての頼まれごとに
交換を持ちかけてしまうと
やっぱりちょっとめんどくさがられるというか、
人間関係的に損をしてしまうかもしれません。

最終的に大きく成功するのは
いろんなものごとを人に与えようとする
ギバー(giver)の人のようですし。

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贈与の気持ちをベースにしたうえで、
あくまでゲーム感覚で、楽しみながら
やってもらえればいいのかな、と思います。

そのうえで、ナリワイや小商い、
身の丈起業の経験値稼ぎ
使えれば最高かと思います。

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