自治と成熟を共に創る

自治と成熟を共に創る

こんにちは、いしおです。

まちづくりや今後の社会のあり方について

考えるのが僕の仕事だと思っております。

今日は、今考えているよい社会のあり方

「自治と成熟」について、

ざざっと書いてみたいと思います。

 

はじめに

世界のあるべき姿とはどのような姿なのでしょうか。

そのようなことをずっと考えてきました

。あるべき姿というものは世界にはなく、

個人の望む姿と置き換えられるかもしれませんが、

それでもなお、どこか普遍的で

理想の世界というものは確かに存在する気がします。

 

自治と成熟と共創

普遍的な理想の世界があるという仮定に基づき、

これまでの人生を振り返り様々な原体験を思い出したり

考え直したりしながら、

自分が考えるあるべき世界の姿というものを想像してみました。

すると、次のようなキーワードが浮かんできました。

「自治」「成熟」「共創」です。

 

概念を示すと以下のようになります。

 

【自治】・・・目指す方向 X軸

自治とは、他人からの圧力で動くのではなく、

自分自身が主体となり、望む未来を

定義・思考、選択、実行、反省、再検討していくことです。

自治とは、「生存率を高める」ことと、

「生きる価値を高める」ことに大きく分類されます。

 

生存率を高める

「生存率を高める」ことは、

「貨幣経済」「自給経済」「交換経済」「保険と保障」の

4つに分類されます。

 

「貨幣経済」

お金をやりとりする経済です。

 

「自給経済」

衣食住に必要なものを自分で作り出す経済です。

狩猟採集や農畜産・漁業養殖業のみならず、

家具をDIYしたり、自然エネルギーを生産したりも

こちらに分類されます。

自らの手で衣食住を充実させる方法です。

 

「交換経済」

物々交換による経済です。

無形のサービスの貸し借りもこちらに含まれます。

交換経済の充実には、質の高いコミュニケーションを行い、

良好な人間関係を構築していくことが必要とされます。

 

「保険と保障」

大きな金銭的損失や重いケガ・病気、

天災や人災による生活基盤の崩壊など、

個人のキャパシティを超える際に頼ることができる

セーフティネットのことを指します。

例えば生命保険などの仕組みや、

家族・親族・疑似家族・過去の

頼母子講のようなコミュニティ、

やり直せる場所としてのふるさと、

個人や団体感の「恩」などもこれに分類されます。

 

一方、有事に利用できるようにするために

他の経済力(貨幣、自給、交換)を向上させたり

資産を蓄積したりすることで、

キャパシティを超えづらくすることも

方針の一つであると言えます。

 

生きる力を高める

次に、「生きる価値を高める」ことについて説明します。

ヴィクトール・フランクルによると、

人間が実現できる価値は

「創造価値」「経験価値」「態度価値」の3つに分類されます。

 

創造価値

創造価値とは、人間が行動したり

何かを作ったりすることで実現される価値です。

仕事をしたり、芸術作品を創作したりすることが

これに当たります。

 

体験価値

体験価値とは、人間が何かを体験することで

実現される価値です。

芸術を鑑賞したり、

自然の美しさを体験したり、

あるいは人を愛したりすることで

この価値は実現されます。

 

態度価値

態度価値とは、人間が運命を受け止める

態度によって実現される価値です。

病や貧困やその他様々な苦痛の前で

活動の自由(創造価値)を奪われ、

楽しみ(体験価値)が奪われたとしても、

その運命を受け止める態度を決める自由が

人間には残されています。

フランクルはアウシュビッツという

極限の状況の中にあっても、

人間らしい尊厳のある態度を

取り続けた人がいたことを体験しました。

フランクルは、人間が最後まで

実現しうる価値として態度価値を重視しています。

 

【成熟】・・・目指す方向 Y軸

成熟とは、衰退でも成長でもないあり方です。

 

行き過ぎた経済成長を続けると、

本当に大切にしたかった価値までも

切り売りしまうことにもつながりかねません。

どこかで自分たちはこの程度で良いと満足する、

その姿勢こそが成熟であると考えます。

 

しかし、成熟という状態が実際にどのような姿なのか、

ともすれば暴走しかねない人間の欲望や本能を

どのようにコントロールすることが可能なのか、

それについては非常に難しいところと言えるでしょう。

模索し続けるような形になると思います。

 

少なくとも成熟に必要なことは、

物事を決めるときには

「現在目線」のみならず、

「子孫目線」と「祖先目線」を持つことだと考えます。

 

現在目線

今この世界、社会、空間に生きている多くの人が

幸せになるため・納得して生きるために

必要な目線です。

 

多くのステークホルダーを集め

多様な意見を聞いたり、

様々な人の立場を想定したりしながら

物事を決めることで、

現在目線が担保できるのだと思います。

 

子孫目線

自分が会うことのない後世の目線です。

今現在生きている人たちが幸せでも、

子孫や後世に負担が行くような

意思決定をしていたのでは

「成熟社会」とは言えないのだと思います。

 

インディアンは7世代先の子孫のことを想い

物事を決めて生きてきた、と言われています。

そのような思慮深い意思決定ができることを

目指しています。

 

祖先目線

 

自分たちの祖先の目線です。

 

過酷な社会環境、自然環境の中で

生き抜いてきた祖先がいるからこそ

今の私達が存在します。

 

祖先が荒れ地を開墾し、

実り多い田畑を残してくれたからこそ、

飢えなく美味しいものを食べられるような

暮らしができています。

 

祖先が頭をひねり

様々な発明や知恵を残してくれたからこそ、

私達は便利で豊かな生活が

可能となっています。

 

有名無名問わず、

祖先が残してくれた自然や、

文化的な遺産があるからこそ、

私達は暮らしの中で

美や安らぎを感じることができるのです。

 

祖先の想いを受け取り、

しっかり後世に渡していくことが、

「成熟」を意味するのではないでしょうか。

 

自治と成熟に関する事業マップ

「自治」と「成熟」に関する活動の対象は、

「自分」と「自分以外の人」に分類されます。

「自分以外の人」に関しては、

「家族」「仲間」「友人」「まち」「まちの外」に分類されます。

つまり、私の考える自治と成熟に関する活動の対象、は

次のような象限に分類することができます。

 

自治 成熟
対象 説明 生存率を高める 生きる価値を高める 貨幣よりも本当に大切なものを大切にする 子孫目線、祖先目線を持つ 学習や他者との関わりから変容する
貨幣経済 自給経済 交換経済 保険と保障 創造価値 体験価値 態度価値
自分
自分以外の人 家族
仲間 一緒に生きていきたいと思う精神的繋がりがあり、喪失すると自分の存在の一部が失われると思える他人
友人・顧客 精神的つながりとまではいかないが縁があり仲の良い他人、サービスをやる際のお客様
まち 物理的に距離感が近く、「同じ地域に住んでいる」と思える集団
社会 まちの外の広い世界

 

これらの各象限に対して行動を実施していけば、

望む未来に近づいていけるのではないでしょうか。

 

【共創】・・・目指す姿を実現するプロセス

自治と成熟を目指すプロセスとして、

共創というコンセプトを掲げたいと思います。

共創とは、人と人とが力を合わせたり

意見を交わしたりするプロセスを通じ、

一人では生まれなかった未来を創出する行為です 。

 

これは、ヘーゲルによって提唱された

弁証法の「正反合」という考え方に準拠すると考えます。

テーゼとアンチテーゼがぶつかりアウフヘーベンが生まれます。

そのような行為により

一人では到達することができなかった世界を創出していきます。

 

いしおの目指すことは「自治と成熟を共に創ること」

目指す世界については簡単な定義を行いましたが、

まだまだ具体性のある像ではないかもしれません。

ただしこれは南西ではなく北東を示しているというように、

目指す世界はどこにあるのか、

ある程度の方向は示しているものだと考えます。

コンパスを手元に、宝を探していく旅のようなものかもしれません。

 

僕のやることの目的は、

共創というプロセスをもって、

自治と成熟へ近づいていくというものです。

 

(2018.8追記)今後立ち上げる会社説明を(作成しつつ)公開します!

そんな「自治と成熟」をテーマにした会社「合同会社 自治と成熟(仮)」を今後つくる予定です。

現在作成中の会社説明をこちらで公開しています。

良ければこちらも御覧ください。

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