卒業生が考える「これから地域おこし協力隊として働く人に大切にしてほしいたった1つのこと」

卒業生が考える「これから地域おこし協力隊として働く人に大切にしてほしいたった1つのこと」

僕は2016年に久米島町地域おこし協力隊として配属され、移住定住推進をミッションとする「島ぐらしコンシェルジュ」として3年間活動してきました。

3月末で僕は任期終了となるのですが、3年間勤務した上で思った、「これから地域おこし協力隊として働く人に大切にしてほしいたった1つのこと」を紹介したいと思います。

何よりあなたのキャリアを大切にして下さい

これから地域おこし協力隊として働く人に大切にしてほしいたった1つのこと。それは、「あなたのキャリア」です。

何かをやるときに「自分の理想像に近づけるか?」「自分自身のキャリアにとって価値があるか?」を考えてほしいな、と。

地域おこし協力隊の落とし穴

地域おこし協力隊には、落とし穴があります。それは、「何も考えずに業務に取り組むと、仕事の経験がキャリアにならない可能性が高い」ということです。

「地域おこしを協力してくれるために来たんでしょ?」

地域は課題が沢山です。人手も足りてません。地域によってはムラ社会が残っており、新参者には風当たりの厳しいところもあるかもしれませんが、基本的には、地域のためになることをやってくれる人は歓迎してくれるはずです(誰かが何かをやらかしてない限り)。

だけど、ともすると「地域おこしを協力してくれるために来たんでしょ?」と、色んな地域の雑務を押し付けられてしまいがちです。何も考えずに人からの要請に応えてだけいると、ひたすら雑務をこなすだけの3年間になってしまうかもしれません。

地域おこし協力隊が頑張り過ぎちゃう問題

地域おこし協力隊が上記のニーズに答えようと頑張りすぎてしまうのも問題です。

特に、地域おこし協力隊として来る人は真面目な人が多く、ともすれば「地域のため」に休日返上、無給で動いてしまう人も多いです。

地域のために活動してくれるので、市民や行政の人は基本そのような姿勢は喜びます。信頼も勝ち取れることでしょう。

だけど、出口設計なく滅私奉公するのは危険です。疲弊し、すり減って終わってしまうだけになります。

それだけでなく、「地域おこし協力隊は滅私奉公してくれるもの」という誤った認識を地域側に刷り込んでしまうことにもなります。結果、次に来る地域おこし協力隊の人が損します。

自治体、担当者の当たり外れ

地域おこし協力隊は、正直、受け入れ先自治体の組織風土、及び担当職員のやる気と能力によってかなり左右されます。

「あなたのキャリアになるように頑張って下さい」と後押しをしてくれ、こまめに面談をし、卒業後の進路も紹介してくれるような人もいれば、極論地域おこし協力隊の制度を「タダで人を使え予算が増える財源」くらいにしか考えてない人もいます。

しかも、行政組織は頻繁に異動があるため、ある年は「アタリ」の担当者でも、翌年は「ハズレ」になってしまうことがあります。担当者の方はいい人でも、課長との相性がよくなく、案が通らず活動しにくい、なんてこともあります。ましてや、地域おこし協力隊のキャリアを考えてくれる人なんて一握りでしょう。

基本的には、受け入れ慣れていて、先輩協力隊からの評判も良く、定着率の高い自治体を選ぶのが正解ですが、正直「運」に左右もされます。

ミッション型地域おこし協力隊のデメリット

もともと地域おこし協力隊は、都市から地方への流動を促すことが目的の制度です。したがって、当初は起業家や一次産業後継者の卵など、「地域に定着していきたい人」が集うような制度でした。

しかし昨今は、必ずしも定住を目的とせず、町のためになるような「ミッション」を定義され、期間中にそのミッションに取り組むような「ミッション型」と言われるような地域おこし協力隊の募集が増えてきています。

例えば僕らのような「移住定住推進」もそうですし、久米島町でやっている「高校魅力化プロジェクト」のスタッフ、観光振興、集落支援のようなものもあります。

「自分の興味ある仕事を田舎でできる」というメリットがあり、とても魅力的だとは思います。

しかし、デメリットもあります。任期中に「求められること」が多く自由度が下がり、やりたいことや起業の実験がしづらいのです。

正直、シンプルに「田舎で起業したい」とか「複業やりながら食べていけるようになりたい」といったように、仕事を作っていくことに興味がある方は、

ミッション型ではなく「あなたが必要だと思うことをなんでもやっていい」というようなノンミッション型の地域おこし協力隊や、以下のような起業を前提とした地域おこし協力隊にエントリーしたほうが良いです。

Next Commons Lab | Next Commons Lab”は、さまざまな領域で活動するメンバーが集まり、プロジェクトを通じて地域社会と交わりながら、 ポスト資本主義社会を具現化する議論と実行の場です。

LOCAL VENTURE SCHOOL – ローカルベンチャースクール

田舎でずっと暮らしていきたい、という意思が強い方は、逆に「集落支援」や「一次産業の後継者」といったように、シンプルに定住者を求めているような地域おこし協力隊を探したほうがいいです。ミッション型ではなく。

(この時点で『失敗した!』と思った方は、しばらく活動をしてみてやっぱり合わなかったら辞めてみるのも良いかと。もしくは他の自治体の協力隊への応募も検討してみて下さい。地域おこし協力隊として2年以上の勤務経験があれば他の自治体の協力隊にも応募できますよ。)

利己主義になれというわけではない

勘違いしないでほしいのは、自分のことばかり考える人になってほしい、というわけではありません。

地域の一員として認められることや、活動の仲間づくりを目指すのであれば、信頼を勝ち取るために、タダ働きやボランティアが最も有効なことが多くあります。

何より、人からの頼まれごとや付き合い全部断っていたら、田舎らしい人付き合いや経験を積めず、地域おこし協力隊の醍醐味を味わえず帰ることになるでしょう。人が助け合って暮らしているのが田舎ですし。

そもそも自分のことばかり考えている人とは誰も付き合いたくないので、協力隊に限らず、人生が先細っていくだけだと思います。

「テイカー」ではなく「ギバー」や、せめて「マッチャー」になる方向を目指してほしいなと思います。

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まちのことを考える人は他にもいるけれど

大事なのは、まちのことを考える人は他にもいるけれど、あなたのキャリアをあなたほど真剣に考えられる人は、あなた以外にいない、ということです。

どんな活動をしてもいいのですが、これから地域おこし協力隊として働くすべての人が、「地域おこし協力隊として勤務する中で、自分の人生が先に進んだし、キャリアにもつながった」といえるようになってほしいんです。

それでこそ地域への本当の感謝の気持ちや愛着が生まれ、地域の一員として任期後も継続して関っていけるような関係につながるのかなと思っております。

終わりに~崇高な理由はいらない~

地域おこし協力隊として働く動機や目的は人それぞれだと思います。

「まちづくりに関わりたい」「地域の産業を継承したい」という方から、「都会に疲れた」「田舎で数年はのんびりスローライフしたい」という方まで、人それぞれ、人生色々でしょう。

個人的には正直最初はどんな理由でもいいのかな、と思います。地域おこし協力隊に限らず、どんな仕事でも、何かを始める上での最初の理由なんてそんなに重要じゃないと思うのです。

ギターの神様として知られるエリック・クラプトンも、ギターを始めた理由は「モテたかったから」ですから。確か。

だから、地域おこし協力隊として働く上で、「地域のために」という崇高な理由は不要です。

やりたいことをやりましょう。生きる力高めましょうよ、と。

そんなことを思います。

 

あなたのキャリアを一番真剣に考えられるのはあなただけです。

活動を通じ、あなたの人生が先に進むことを、日本のいちばん南のほうから祈っております。

幸運を!そして勇気を!!

出典:名言・格言集(ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド -Phantom Blood- 気になる言葉 一覧リスト) | iso.labo

 

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