【完全保存版】地域での仕事の作り方をまとめたよ!おすすめ本5選も紹介

【完全保存版】地域での仕事の作り方をまとめたよ!おすすめ本5選も紹介

「いなか」「まちづくり」をキーワードに仕事をしてきて6年になろうとしています。

この領域で仕事をしていると必ず直面するのが、「田舎・地域での仕事の作り方」の話。どうやって食べていくかは人それぞれ地域それぞれの工夫がいるのだと思いますが、活動を通じ、ある程度おさえるべき基礎知識とかセオリーみたいなものがあるな、と。今日はそんな、「地域(特にいわゆる『田舎』と言われるエリア)での仕事の作り方」とそのヒントをまとめてみたいと思います。おすすめ本も紹介します!

まずはおさえるべき「田舎エリアでの経済の回り方」

田舎で仕事をつくる上で、まずざっくり、田舎ではどのように経済が回っているのかを理解する必要があります。

そして、これは多くの人が戸惑うし失敗する所だと思うのですが、いわゆる「田舎」と呼ばれる地域では、都会とは異なった経済の回り方をしているのです。

愛情空間と貨幣空間が混ざり合うのが田舎

まず前提として、田舎で仕事を作る上で必ず抑えていくべきことがあります。それは、「田舎では愛情空間貨幣空間が混ざり合っているため、ビジネスライクなコミュニケーションがとりづらい」ということです。

作家の橘玲氏によると、人間関係には、親密さで人と人とがつながる愛情空間と、お金のやりとりでつながる貨幣経済の2つがあるそうです。

参考:幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

そして起業家のけんすう氏曰く、「このふたつをごっちゃにしていると、人間の気持ちってツラくなりがち」とのこと。

詳細:会社の人間関係はなぜしんどい? けんすうの助言「コミュニケーションを2つに分けよう」|新R25 – 20代ビジネスパーソンのバイブル

そして、田舎では愛情空間と貨幣空間の区別がつきづらい。ごっちゃに混ざり合っているんです。

例えば地方に移住したデザイナーが、その地域の人からタダ・もしくは格安でデザインの仕事を求められて不満をこぼしている姿をよく見かけますが、これは田舎では愛情空間と貨幣空間の区別がついていないからだと思います。

田舎には3つの経済がある

僕の前職、海士町の「株式会社風と土と(旧:株式会社巡の環)」で学んだのですが、田舎には「くらし(自給経済)」「しごと(贈与経済・信用経済)」「かせぎ(貨幣経済)」の3つの経済があります。


出典:【めぐりの実験室】 「”しごと”払い」について|巡の環

お金だけで経済が回っているのではなく、自分たちで食べ物をとったり育てたり、人にあげたりもらったりして経済が回っている。そのことはしっかり理解する必要があります。

ペライチがなぜうまくいっているのか~価値と信用~

ここでちょっと話が飛びますが、シンプルなホームページを作成できるサービスを提供している、株式会社ペライチの事例を見てみましょう。ここにもヒントがあるように思っています。

ペライチは、「地方に強いサービス」を提供できていますが、多くの会社では東京で成功しても、地方進出につまづいてしまうことが多いそうです。ペライチ創業者の山下氏は、自身のブログでその理由をこのように語っています。

そこには「東京脳」と「地方脳」の違い
とも言うべき感覚の相違があり、
お互いにこれを理解し受け入れない限り
「噛み合わないコミュニケーション」
をやっているようなもので、
いつまで経っても相容れない状態が続いてしまう。
引用:東京で売れるものがなぜ地方で売れないのか?東京脳と地方脳のすすめ – 佐賀から世界へ~炎の経営者ブログ~

東京は、メリットとか商品やサービスの価値で勝負しやすい。
マーケティングも効きやすい。
いわば「価値経済」がベースだからだ。

一方で地方はそれが通用しづらい。
なぜならば地方は「信用経済」がベースだからだ。

信用経済がベースの地方において、商品やサービスの価値である「何を買うか」よりも
「誰から買うか」の方が価値が高い場合が多い。
引用:東京で売れるものがなぜ地方で売れないのか?東京脳と地方脳のすすめ – 佐賀から世界へ~炎の経営者ブログ~

モノの価値よりも信用が重視されるのが田舎。何を買うかではなく、誰から買うか、で決まるのが田舎。そう言っています。たしかにそのとおりだな、と。

自分自身の経験としても、田舎で誰かを説得しようとするときに、一所懸命にメリットや先進性などを解説しても響かないことが多く、のれんに腕押しに感じることが多くありました。ですが、一緒に飲みに行ったり、地域の人が大事にしている民謡を踊って喜んでもらったりすると、「協力しよう」と応援してくれることもありました。

また、都会の企業が自社のサービスや企画を売り込もうと、役場や地域の人に提案する姿もよく見ましたが、どこか空回りしていました。改めて思うと、その大きな理由としては、地域側の人が心の内で思っている「で、あなたは誰なの?」という問いに応えられていない、ということなのかな、と思います。

田舎で仕事を作る上での戦略とは

上記のような経済の仕組みが回る田舎で、仕事をつくり、豊かに暮らすためにはどうすれば良いのでしょうか。田舎で仕事をつくる上での戦略を整理してみます。

まずは信用を勝ち取り味方をつくる

ペライチの例でもあったように、人の信用で仕事が回るのが田舎です。そのため、まずは地域の人から認められるように、信用を勝ち取り味方をつくることが重要。

味方の作り方は人それぞれだと思います。集落の行事にちゃんと参加するとか、仕事で役に立つとか、一発芸で沸かせるとか、十人十色の方法があるのだと思います。例えば、僕の前職、「株式会社風と土と」の代表である阿部氏は、創業当初の頃は色んな人と仲良くなるために、毎日のように飲み歩いていたそうです。田舎はお酒のコミュニケーションの力は根強いので、肝臓の強い方にはおすすめですね。

「テイカー」から遠ざかり、「ギバー」「マッチャー」と仲良くする

信用を勝ち取ろうとする上で注意が必要なのは、「相手を選ぶ」ことです。早い話、何か与えても返してくれないような、価値を人から取れるだけ取ろうとする「テイカー」からはできるだけ遠ざかることをおすすめします。でないと、こき使われて、疲弊して終わりだからです。

そうではなく、何かもらったらお返しをしてトントンにしようとしてくれる「マッチャー」、どんどん人に与えようとする「ギバー」の人たちと付き合うようにしましょう。

参考:惜しみなく与える者ほど成功する! 人間にはギバー・テイカー・マッチャー3つのタイプがある | ガジェット通信 GetNews

特に、「テイカー」の人が多すぎる地域には、そもそも住まない方がいいです。間違いなく疲弊しますから。特に、「地域のために」と頑張ってしまいがちな地域おこし協力隊の人は気をつけてほしいですし、「地域のために頑張って当然だ」みたいなことをのたまう人ばかりな地域からはさっさと抜け出してしまいましょう。

ライスワークとライフワークがあるけど、まずはライスワークから

「貧すれば鈍する」という言葉にもあるように、まずはある程度安定して食べていけるだけの生活基盤があった方が、気持ちよく仕事づくりに挑めます。

地域でわざわざ仕事を作ろうとする人は、基本的に自分がやりがいや生きがいをを感じながら働ける「ライフワーク」を求めているのだと思いますが、まずは日常をそれほど困らずに暮らせていけるだけの「ライスワーク」を確保していくことがおすすめです。

関連:「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で働き方を考える | 「キャリア未来地図」の描き方 | ダイヤモンド・オンライン

お金は「貨幣経済」から取る。無理に地域内で稼ごうとしない

前述の通り、田舎では、貨幣のやりとりで回る経済以外にも、食べ物を育てたり採ったりして回る経済や、誰かにモノやサービスを贈ったり贈られたりしながら回る経済があります。

田舎で無理に今貨幣経済以外で回っているものを貨幣経済に置き換えようとすると、抵抗にあったり、非難されたりしてしまいます。「あいつはがめつい」とか、「守銭奴」とか言われてしまうかもしれません。つらいですよね。

どうすればいいかで言うと、「無理に地域からお金をとろうとしない」「無理に地域内でお金を稼ごうとしない」ことが大事かなと思うのです。

早い話、都会や地域外から仕事をとって、お金を稼ぐ。これが一番手っ取り早い。昨今はリモートワークで仕事がとれるようになっていますし、僕みたいな特別なスキルを持たない人間でも、頑張れば時給単価1000-2000円くらいは稼げます。プログラマーとかデザイナーとか、もっと付加価値高く働ける人は、もっと多くお金を稼げるでしょう。

また、田舎の中でも、お金に置き換えやすいサービスと、置き換えにくいサービスがあります。例えば、飲み食いに関するサービスや、モノの製造、販売みたいな領域では、田舎でも当たり前に貨幣のやり取りが行われていますので、他の無形サービスよりは比較的お金がとりやすいと思います。

自給経済、贈与経済領域を伸ばすのも立派な「仕事の作り方」

「地域で仕事をつくる」ことを考えると、どうしても貨幣を稼ぐ方向に考えがちです。お金、便利ですしね。ですが、「食べ物を自分で採れるようにする」とか「モノやサービスを交換する」ことだって、十分立派な「地域での仕事の作り方」だと思います。

海士町の「株式会社風と土と(旧:株式会社巡の環)」では、「くらし(自給経済)」「しごと(贈与経済・信用経済)」「かせぎ(貨幣経済)」の3つをバランスよく回すことで、田舎でも豊かに暮らせる。そう考え、実践しようとしていました。

少なくとも僕がいた頃はまだまだ試行錯誤中でしたが、これからもし経済が縮小していくとしても、豊かに愉快に暮らせる可能性がある、ということは日本や地方に住む人にとって大きな希望だと思います。また、自分の仕事の価値を必ずしも貨幣だけに置き換えなくても良い食べ物でいつか返してもらったり今度困ったときに助けてもらえれば良いなどと考えられば、先のデザイナーの例のような苦しみや切なさは、少しは減るのではないかと思っております。

完全な自給自足や、お金のいらない生活、というのはなかなか難しかったり一般人にはストレスフルだったりすると思いますが、「豊かで幸せなくらし」を実現するのが経済だと思いますので、なにもお金を稼ぐだけが大事なのではないと思うのです。

地方での具体的な仕事の作り方とは

前置きが長くなりましたが、ここからは地方での具体的な仕事の作り方について、僕が実践していることも含めて紹介していきます。

とりあえずクラウドソーシング×待機系バイトを始める

田舎の求人は正直、条件よくないです。労働時間が長かったり、その割に給与が低かったり、土日も手当つかなかったり、社会保険入ってなかったり……。そもそも貨幣経済的に条件不利地なので高望みができない、というのが一般的な現状です。

なので僕のおすすめは、クラウドソーシングなどで外部から仕事を取ることです。正直最初は儲かりませんが、月に数万円くらい稼げるようになると、精神的にも「まあ、なんとか食えていけそうな気がする」と気楽になります

さらに、ちょっとした裏技ですが、待機系事務のアルバイトをやりながらパソコンでできる仕事をすれば、時給換算した単価は上がります

詳細はこちらも参考にしてみてください。

筆の遅い1円ライターでも時間単価1400円を実現できる方法

ナリワイ・小商い・しょぼい起業

田舎の大きなメリットは、小さくビジネスを開始できることです。土地代などのコストが低かったり、競合が地域内でほぼいなかったり。小さな頼まれごとから思いもよらなかったビジネスをスタートし、軌道に乗っていくこともあります。

このようなスモールビジネスを、まずは小さく始めることが、「ナリワイ」「小商い」「しょぼい起業」というキーワードで、ローカル界隈では特に注目されていたりします。

観光客さんを対象にしたビジネスを

前述の通り、地域内の人向けに新しいサービスを提供しお金を稼ぐのは、貨幣を支払う文化がない領域だとかなり難しいかもしれません。最初は物珍しさにサービスを利用してくれても、習慣として根付かなければリピートが生まれずジリ貧になってしまいます。

一方、旅行でいらっしゃって下さる観光客さんは、その地域でしかできない面白い体験があればお金を払ってくれます。ゲストハウスや体験プログラム提供など、観光客向けのサービスを提供するのは、お金を稼ぐ上では比較的やりやすいのではないでしょうか。

特に僕の住む沖縄では、観光客さんが日本各地、世界中から訪れてくれます。個人旅行が注目され「コト消費」が重視される昨今、airbnbasoviewなどを使って、個人事業者がどんどん観光や島ぐらし体験プログラムを作っていくのは勝ち目があるんじゃないかと思ったりしています。

詳細はこちらも参考にしてみてください。

久米島の観光振興に必要なこと~「やる人」ありきの計画を~

地域で仕事をつくろうとする人の背中を押してくれる本5選

地域で仕事をつくろうとしている方に、そっと背中を押してくれるような、応援してくれるような本をまとめました。よかったらチェックしてみてくださいね!

月3万円ビジネス 100の実例/藤村 靖之

 

月3万円ビジネス 100の実例
藤村 靖之
晶文社
売り上げランキング: 35,357

ナリワイ・小商い系の本はいくつかあるのですが、ざざっと読んで「これならできそうな気がする!」という気分にさせてくれるのがこの本、「月3万円ビジネス 100の実例」です。もちろん、やろうとするサービスが地域内でニーズがあるか、みたいな話はちゃんと詰めなきゃいけないのですが、まずはやり始めることとか自分にとってのライフワークを考え始めるときに、背中を押してくれる気がします。

しょぼい起業で生きていく/えらいてんちょう

 

しょぼい起業で生きていく
えらいてんちょう
イースト・プレス (2018-12-16)
売り上げランキング: 425

準備資金がゼロでもできる、「死なない起業」「生き延びるための戦略」を教えてくれる本です。起業系の記事を漁ると「起業して10年後の生存率は1割未満」みたいな記事にぶつかり心が折れそうになりますが、この「しょぼい起業」なら、生きていける気がしてきます。

フリーランスの教科書/見田村 元宣 内海 正人

 

フリーランスの教科書 (星海社新書)
見田村 元宣 内海 正人
講談社
売り上げランキング: 115,252

まずは他の仕事も掛け持ちしながらの複業型で事業を始めるといいと思います。その際には、個人事業主として登録したり、青色申告したりと、サラリーマン目線で考えると大変そうなことがいっぱいあるように見えます。でも、個人事業主として始めるのは、それほど大変じゃないんです。個人事業主の始め方に関する本も色々読みましたが、この本が一番シンプルでわかりやすかったです。

ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている/牧 大介

 

ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている
牧 大介
木楽舎 (2018-07-02)
売り上げランキング: 32,433

ここからは、事業をちゃんと大きくしていきたいと思う人向けの本を紹介します。人口約1500人台の村、岡山は西粟倉村で、起業家が多く生まれ活躍しています。その物語と地域でのベンチャービジネス、地域に眠っている可能性について書かれた本です。自分の住んでいる町でももっとできることがあるはずだと、勇気が出ます。

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門/木下 斉

 

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門
木下 斉
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 880

「まちづくり」をキーワードにした仕事をつくりたい、と考えている人には、「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」がおすすめです。「逆算営業・逆算開発」の大事さ、「なぜ役所の事業がうまくいかないのか」といった、地域活性化コンサルとして活躍してきた木下氏の経験と知見を学ぶことができます。物語形式で読みやすいです。地域あるあるも豊富なので、「これから仕事を作る上でどんなトラブルが起こりうるのか」を把握することにも向いていると思います。

終わりに

今回は、地域で仕事をつくる上で大切なことやそのヒントについて紹介しました。僕も全部うまくできているわけではありません。試行錯誤しながら、「ああ、やっぱり大事だよな」と思ったことをまとめました。これから地域で仕事を作ろうとしている皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです!

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