生きる力が高まる地域、生きる力を高める移住を

生きる力が高まる地域、生きる力を高める移住を

こんにちは、いしおです。

僕は今、久米島町の地域おこし協力隊として

働いています。

来年から「地方移住」を大きなキーワードに

起業するつもりなのですが、

では何をどのように営んでいこうか、

これからの時代に本当に価値のあることとは

何なのだろうか、

そんなことをぐるぐると考えている日々です。

 

「自治」や「成熟」はとっつきにくい

「自治」とか「成熟」とか

そのへんのキーワードを元に

考えつつ、人に考えていることを

伝えたりフィードバックをもらったりしてます。

そうすると、「自治」やら「成熟」は

それほど反応がよくない(笑)。

 

まだ自分の中で言葉が落とし込めていない部分も

大いにあるんでしょうし、

ちゃんと概念を伝えられていないのだとも

思います。

ですが、どうしても言葉としての

「とっつきにくさ」があるのだと。

 

ごちゃごちゃと考えていることを

シンプルに伝えられることは、

一人でできることに限界がすぐに訪れる

「自治」とか「成熟」みたいなキーワードを

扱う上で非常に重要だな、と思ったりするのです。

 

生きる力が高まるか、生きる力が弱まるか

特に「自治」の領域について考えることを、

一つの切り口として

シンプルに伝えるとしたら、

大事なのは

「何か行動を選択するときに、

その行動により、その人が

「生きる力が高まる」のか、

それとも

「生きる力が弱まる」のか」

なのだと思います。

 

たとえば仕事で楽をするよりも

たとえば、仕事のことを考えてみます。

 

僕は東京のITベンチャーで働いているとき、

仕事で失敗が重なり、結果的に

周りの人たちが目まぐるしく働くなか、

一週間中でほとんど仕事がないような

状態になったことがあります。

 

そのときの感覚を思い出してみると、

生物として「楽」とよかったと思います。

だけど、「生きる力」とも呼ぶべき何かが

どんどん損なわれていることを感じました。

 

仕事力のようなスキル部分ももちろんですが、

自信だったり活力だったりといった、

精神エネルギー的なものが体から漏れてしまい、

しゅるしゅるとしぼんでしまうような

感覚があったのです。

 

だから、楽をすることよりも、

多少ハードでも生きる力が高まる方向へ

向かうほうが結果として

幸せになれる気がしています。

 

「農業は儲からないから辞めたほうがいい」のか

その後、隠岐の島、海士町に移住し感じたのは、

住んでいる方々の「生きる力の高さ」でした。

多くの方が田畑を持ち、野菜や米を育て、

当たり前のように魚をとり、

工夫をこらし美味しく料理をし、

おすそ分けをしている。

 

島の食材ばかりで構成された

美味しいごはんを頂くたびに

「すごいなあ、すごい」と

感銘を受けていました。

 

そんな暮らしの中、

島の農家さんから

異口同音に聞くのは

「農業は儲からん」という話でした。

かけた労力に対して、

農業で稼げるお金はとても低い。

時給換算してみると、

最低賃金以下になることが

ほとんどで、

「働きに出た方が儲かるし良い」と

いう話を多く聞きました。

 

でも、本当に、

「農業は儲からないから

辞めていい」ものなのでしょうか。

 

これに関しては話すと長くなりそうなので

詳細はまた別の機会にしたいですが、

少なくとも

「農作物を育てられる」という

素晴らしい能力は、

その人や地域から失われて良いものではないのだと

思います。

 

なぜならその能力は、

他のほとんどの能力よりも

その人や地域全体の「生きる力」を

高めているものでしょうから。

 

「生きる力」が高まるような地域を

少し過激な表現をしますが、

田舎において、単純に

人をもっと便利に、もっと儲かり、

もっと楽にすることを目指したまちづくりは、

僕にはそれほど価値があるとは思えません。

都会やその近辺の住宅街には

すでにそれが存在するからです。

すでに存在するのであれば、

そのような場所へ人が移動するほうが

効率的でしょう。

もっと楽に、便利に、儲かるようになる以外に、

もっと価値がある目指すべき何かがあるはずです。

 

近年の地方創生の大本のニーズとしては

「住み慣れた・愛着ある地域で暮らし続けたい」

という住民の願いなのだと思いますし、

国の地方創生の製作は、

その願いをもった

自治体同士の競争(そして淘汰)を

促すことであるのだと思います。

 

しかしその結果が、自治体のPR合戦や

移住奨励金のバラマキなど、

それほど価値があるようには思えない現状に

結びついているように見えます。

 

そうではなく、

「金を稼ぐ力」以外の「生きる力」が

より重視されるようになり、

「生きる力を高める」ことを目的とした

人の移動が生まれること。

 

地域の自然や文化など、

地域ならではの資本を活かし、

人をよりよい存在へと引き上げる

「生きる力が高まる地域」が増えること。

 

そんな地域同士が連携し、

結果として

生きる力が高い国へと導いていくこと。

 

このことに、価値や可能性があるのだと考えています。

 

だから、今後の活動としては、

「生きる力が高まる地域づくり」、

「生きる力を高める移住」

推進していきたいな、と思うのです。

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