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「関係人口づくり」の前に、まず地域がやるべきこと

「関係人口づくり」の前に、まず地域がやるべきこと

こんにちは、いしおです。

地域づくり関係者の中で

最近バズワードとなっている

「関係人口」。

 

地方のみならず日本全体で

人口が減る中、

地域の活力を維持するために

地域外から地域に関わってくれる

「関係人口」を獲得しよう、

という流れが生まれつつあります。

 

今日は、そんな「関係人口の獲得」の前に

地域が本当にやるべきことについて

言及します。

 

※ちなみに、以前の記事では

「関係人口」という言葉の「冷たさ」について

言及しました。

今回は、その冷たさも踏まえた上で

あえて「関係人口」という言葉を

使ってみることにします。

【関連】危ういことば「関係人口」について考える

危ういことば「関係人口」について考える

「関係人口」とは

おさらいです。

関係人口とは、何でしょうか。

以前書いた記事からの抜粋となりますが、

関係人口とは、このような意味の言葉です。

関係人口とは、その地域に住む定住人口とは別の、地域との関わりを持ってくださる人口のことです。定住まではいかなくても、その地域の産品を購入してくれたり、足しげく通ったり、地域と都会をつなぐようなイベントを開いてくれたりなど、様々な関わりをしてくれます。わかりやすく言うと、その地域の「ファン」と置き換えられると思います。
「「関係人口」は、一刻も早く死語にすべき言葉かもしれない」より

 

「関係人口」づくりの前に地域が本当に行うべきこととは

関係人口づくりの前に、

地域が本当に行うべきことがあると考えます。

それは、

「プレイヤーの育成」です。

 

地域における「プレイヤー」とは、

ビジョンを自ら描き、

責任感を持って行動し

実現していく人のことです。

 

では、なぜ地域には、

プレイヤーが必要なのでしょうか。

詳しくは、

現在は島で唯一のホテル

「マリンポートホテル海士」を経営される

(株)海士  代表取締役社長の青山さんが、

当時海士町の観光協会の職員をされていたときの

インタビュー記事をご覧頂ければと思います。

【関連】【島根県海士町】移住希望の若者よ「プレイヤーを目指せ。もうプランは十分だ」/ 灯台もと暮らし

 

「関係人口」は「武器」

では、なぜ関係人口づくりの前に

プレイヤーが必要なのでしょうか。

 

「関係人口」とは、地域づくりのための

いわば「武器」のようなものです。

ドラゴンクエストなどのロールプレイングゲームを

思い出してもらえればよいのですが、

武器がそれだけで敵と戦ってくれるわけは

ありません。

武器を使って戦うのは「人」です。

 

また、「武器」を正しく扱えなければ、

文字通り振り回されたり、

自分を傷つけてしまうことにもなるでしょう。

 

地域には、

武器をちゃんと扱える人、

プレイヤーが必要なのです。

 

「関係人口」は「手札」

また、

関係人口とは「手札」である、とも

言えるかと思います。

 

ポーカーでも大貧民でもよいのですが、

トランプでゲームをプレイする時に

どのような手札をもっているかは重要です。

 

でも、それよりも重要なのは、

その手札を元に、

どうゲームをプレイするか、でしょう。

 

つまり、こちらも言葉通り

「プレイヤー」が重要なのです。

 

やはり「プレイヤー」こそが尊い

昨今は地域づくりやまちづくりという

キーワードが注目されるようになり、

これまででは考えられないような大企業や

先進的なベンチャー企業までもが

地域づくりに関わろうとしています。

 

地域へのUターン、Iターンはできない、

でも地域づくり、まちづくりに関わりたい、

とおっしゃってくださる方も

多くいらっしゃいます。

 

僕が以前住んでいた海士町や、

ここ沖縄は久米島でも、

色々な提案を地域外の企業や人から頂き、

またそのような様子を垣間見てきました。

 

でも、どんなに良い提案でも、

地域内に「やる人」がいないからできない。

もしくは、地域外の企業の能力を

持て余し、有効に活用しきれない。

そんな光景によく出会いますし、

自分もそのような失敗を重ねてきました。

 

逆に、良い地域だな、と思える場所には、

必ず地域外の力をうまく活かせる

プレイヤーが、

有名無名かかわらず

必ず存在しているように思います。

 

地域にとって重要なのは、

関係人口づくりではなく、

自らの地域がどうあるべきかを考え抜き、

実際に行動していくような、

地域におけるプレイヤーを

どう育てていくか、なのだと思います。

 

そして、プレイヤーは

「地域に根ざした人」でしょう。

地域のビジョンを描くには、

地域のことを自分のことのように

考える必要があるからです。

当事者意識、というか、

当事者でなければならないのだと思います。

 

※ちなみに「地域に根ざす」の定義は

非常に重要なコンセプトだと思いますので、

また別の機会に考えてみたいです。

そして自分が果たして「根ざせ」るのかも。

 

今のところ、単純に「家を構えている」とか

「墓がある」ということではないはず、と

いうことではなく、

「その地域の存在が

自らにとってかけがえのないものであると

認識しており、地域が傷つけられると

自分にとっても耐え難い痛みを覚える」みたいな

話なのでは、と思っております。

 

手段と目的を間違えない

とはいえ、関係人口とは

いきなり地域への責任感や永住を

問うのではなく、

すこしずつ地域との関係を深めていき、

結果としての定住が発生する、という

考えでもあるかと思います。

 

プレイヤーを獲得する手段として

関係人口づくりに取り組むのは、

悪くはないかもしれません。

 

もしくは、地域内のプレイヤーを

育成するために、様々な地域外の人に

関わってもらい、プレイヤーが育ち、

変容していくようしかける、

といった関係人口の活かし方も

有効でしょう。

 

しかし、そのような場合であっても、

メインの目的は

「プレイヤーの獲得と育成」です。

「関係人口づくり」とは、

その手段にしかすぎません。

 

手段と目的を混同しないように。

関係人口はあくまで

武器や手札にしかすぎない、と

認識しておく必要が、

地域づくり、まちづくりに関わる我々には

必要なのだと思います。

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